夜の駅の出口から別方向へ歩く二つの人影

W不倫の相手が自分の評価者になったとき—関係より先に確かめること

評価する立場になった時点で、二人のあいだの対等さは大きく変わります。関係の結論を出す前に、評価の経路を分けられるかどうかを確かめる順序を整理します。

昇進の知らせを聞いたとき、おめでとうと言いながら、別の感情が同時に動いた。そういう方は少なくありません。相手が評価する側になるということは、二人の関係の条件が変わるということでもあるからです。

この状況で難しいのは、関係のことも仕事のことも、どちらも誰にも話せなくなる点です。話せないまま日々の勤務が続き、判断だけが先送りになります。

この記事では、関係を続けてよいかどうかの結論は出しません。就業規則や評価制度の解釈も扱いません。その前に置くべき順序と、社内に限らない相談先の種類だけをまとめます。

答えを出しても、評価と関係が重なった状態は変わらない

こういうとき、多くの方はまず「この関係を続けていいのか」と考えます。けれども、その問いに答えを出しても、評価と関係が重なっている状態そのものは変わりません。

先に置くのは、評価の経路を分けられるかどうかです。ここが分けられれば、関係についてはあらためて考える余地が生まれます。分けられない場合も、その事実自体が判断の材料になります。

この記事でわかること

  • 昇進によって何が変わったのかという整理
  • 評価と関係が重なると、同意が見えにくくなる理由
  • 評価の経路を分けるために、先にできること
  • 社内に限らない相談先の種類

変わったのは気持ちではなく、権限のほう

相手が変わったわけではないのに、以前より息苦しい。その感覚には理由があります。変わったのは相手の気持ちではなく、相手が持つ権限のほうだからです。

評価する立場の人は、こちらの仕事の内容や処遇に関わる判断に加わります。そこに私的な関係が重なると、どちらの判断がどちらに影響しているのかが、当人同士にも見えなくなります。

見えなくなること自体が負担になります。相手が公平に扱おうとしていても、こちらは常に確かめられない状態に置かれるからです。

利益相反(りえきそうはん)

判断する立場の人が、その判断とは別の個人的な利害を同時に持っている状態のこと。本人に不正の意図がなくても、判断の公平さを外から確かめられなくなるために問題になります。

評価が重なると、同意が見えにくくなる

関係が始まった時点では、二人は同じ立場にいました。そのころの同意を根拠に、いまも問題ないと考えたくなります。

ただ、評価する側とされる側になったあとは、断ったときに何が起きるかという想像が入り込みます。想像が入ると、こちらの返事が本心なのか、不利益を避けるためなのか、自分でも切り分けにくくなります。

相手の側からも見えなくなる

これは、あなたの意思が弱いという話ではありません。立場に差があるところでは、誰であってもこの切り分けが難しくなります。

そして見えなくなるのは、こちらの側だけではありません。相手にも、こちらの返事が本心かどうかは確かめられません。だからこの状態は、どちらか一方が気をつければ解消するものではありません。

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よくある勘違い

「お互いに合意して続けてきたのだから、立場が変わっても問題はない」

実際はこう見ます

評価する側とされる側になると、断ったあとの影響が頭に入ります。すると返事が本心なのか回避なのかを本人も切り分けにくくなり、以前の同意をそのまま持ち越せなくなります。意思の強さではなく、立場の差によって起きることです。

先にするのは、評価の経路を分けること

夜の机に離して置かれた二つの紙ばさみ

評価の経路を分けるとは、あなたの評価に相手が直接関わらない形をつくることです。担当を替える、評価者を別に立てる、複数人で判断する。組織によって用意されている形は違います。

関係を説明しないまま確かめられる範囲がある

評価の経路がどうなっているかは、制度の話として確かめられます。誰が評価に加わるのか、変更の申し出はどこへ出すのか。これは関係の事情を説明しなくても聞ける範囲です。

確かめた内容は、日付と事実だけ手元に控えておきます。長い記録は必要ありません。いつ・誰に・何を確認したかが残っていれば、あとで説明が必要になったときに助けになります。

1調べる

自分の評価に誰が関わるのかを、制度の情報として確かめます。関係の事情は説明しなくて構いません。

2控える

確認した日付と内容だけを手元に残します。感情の記録ではなく、事実の控えです。

3尋ねる

評価者の変更を申し出る先がどこかを確かめます。この段階では申し出そのものはしなくても構いません。

4選ぶ

分けられる見込みがあるか、無いかを見たうえで、関係についてあらためて考えます。

断りたいのに断れないと感じるとき

誘いを断りたいのに断れない。距離を置きたいのに切り出せない。そういうとき、多くの方は自分の意思の弱さを疑います。

けれども、その迷いの中身を分けてみると、気持ちだけではないことが分かります。仕事上の不利益への懸念、周囲へ知られることへの怖さ、これまでの時間への思い。三つが同時に働いています。

不利益への懸念

断ったあとの評価や配置がどうなるかという心配です。これは気持ちの問題ではないので、相談先を使って扱う部分になります。

知られることへの怖さ

関係が明るみに出ることへの恐れです。この怖さがあると、社内の窓口も使いにくく感じられます。

これまでへの思い

長く続いた時間を否定したくないという気持ちです。あってよいものですが、他の二つと分けて置いたほうが判断しやすくなります。

相談先は、社内だけに限らない

夜の窓辺に少し離れて座る二人の後ろ姿

社内の窓口は、制度の変更を実際に動かせる場所です。一方で、関係の事情まで話す必要があるかどうかは慎重に考えたいところです。

報復や不利益が心配な場合、社外の相談先を先に使うこともできます。外で一度整理してから、社内で何をどこまで話すかを決める、という順番です。

どこに相談しても、その場で結論を出す必要はありません。話せる場所を確保しておくこと自体が、ひとりで抱える状態を減らします。

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社内の窓口

評価の経路や担当の変更を実際に動かせる場所です。制度の確認だけなら、事情を詳しく話さずに尋ねられることもあります。

社外の公的な相談先

職場での困りごとを扱う公的な相談窓口があります。報復や不利益が心配なときは、こちらを先に使う選び方もできます。

気持ちの相談先

眠れない、常に緊張しているといった状態が続くときは、心の相談の窓口や医療機関が対応します。関係の是非を判断される場ではありません。

自分の落ち度として抱え込まなくていい

この状況になると、そもそも関係を持ったことが原因だと自分を責めやすくなります。誰にも話せないぶん、その考えは強くなります。

けれども、いま扱わなければならないのは過去の選択ではなく、評価と関係が重なっているという現在の条件です。条件のほうは、あなた一人で背負わなくても動かせる部分があります。

ルナ

ルナのひとこと

誰にも言えないまま、毎日その人の前に座るのは本当にしんどいよね。ここまで一人で持ちこたえてきたことを、まず認めてあげてほしいの。今日は、聞ける場所を一つ調べるだけでいいからね。

続けるか終えるかの前に、評価の経路を分けられるか確かめる

相手が評価する立場になった時点で、二人のあいだの対等さは大きく変わりました。この変化は、気持ちの持ち方では埋められません。

だから、続けるか終えるかを決める前に、評価の経路を分けられるかどうかを確かめます。分けられるなら関係の判断はそのあとに置けますし、分けられないなら、その事実そのものが判断の材料になります。

断ったときの不利益が心配なときは、社内だけで抱えないでください。外の相談先を一つ持っておくだけで、選べる幅が変わります。

ひとことまとめ

関係の結論より先に、評価の経路を分けられるかを確かめます。不安があるときは社外の相談先も使えます。

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